「家族葬=地味で簡素な式」だと思っていませんか?
実は、参列者が少ない家族葬だからこそ、形式にとらわれすぎず、「故人らしさ」を取り入れた演出をしやすい場合があります。
「大好きだったジャズを流して見送りたい」
「趣味の釣具を飾りたい」
「最後に好きだったお酒にまつわる演出をしたい」
こうした希望も、式場や火葬場のルールを確認しながら取り入れることで、故人らしいお別れにつながります。
本記事では、お金をかけずにできる「手作りの演出アイデア」から、故人の身だしなみを整える「ラストメイク」まで、後悔の少ないお別れにするためのヒントを紹介します。
家族葬はもっと「自由」でいい。3つの演出パターン
演出といっても、結婚式のような派手なイベントを行う必要はありません。
演出=派手なことではない。「故人を知る時間」を作ること
一般葬では、参列者への対応などで遺族が慌ただしくなることがあります。
一方、家族葬は参列者を家族や親しい方に絞ることが多いため、式の進め方によっては、控室や式場で故人を偲ぶ時間を取りやすくなります。
「あんなこともあったね」「これが好きだったね」と、家族みんなで故人の人生を振り返るきっかけを作ること。
これも家族葬ならではの大切な演出の一つです。
お金をかけずにできる!手作りの演出アイデア
葬儀社の有料オプションを追加しなくても、自分たちで少し準備するだけで、式場の雰囲気を故人らしく整えることができます。
控室に作る「思い出コーナー(メモリアルコーナー)」
式場の入口や控室の一角を使い、故人の愛用品や写真を並べてみましょう。
参列した家族が思い出を語るきっかけになります。
- 愛用品: 帽子、メガネ、愛用の湯呑み、万年筆など。
- 趣味の品: 釣具、手芸作品、描いた絵、集めていたコレクションなど。
- 写真: アルバムを数冊置いておくだけでも、待ち時間にみんなで見返すことができます。
ただし、式場によって持ち込み可能な物や展示スペースが異なるため、事前に葬儀社へ確認しておくと安心です。
式場に流す「BGM」の選曲
家族葬では、故人が好きだった曲を取り入れられる場合があります。
思い出の曲を流すことで、その人らしさを感じられる空間を作りやすくなります。
- ジャンル: 演歌、クラシック、ジャズ、ポップス、洋楽など。
- 注意点: 音楽を流せるかどうかや、使用できる音源は式場によって異なります。事前に葬儀社へ確認しておきましょう。
棺に入れる「副葬品」の工夫
出棺前のお花入れの時間に、花だけでなく、故人への手紙や折り鶴、写真などを棺に納めることもできます。
「向こうでも好きなものを楽しんでね」と声をかけながら納める時間は、家族にとって大切なお別れの時間になります。
ただし、副葬品には火葬場ごとの制限があります。入れたい物がある場合は、事前に葬儀社や火葬場へ確認してください。
満足度を高めやすい有料オプション
予算を抑えながらも、故人との最後のお別れを丁寧にしたい場合は、有料オプションを一つだけ追加する方法もあります。
その代表例が「ラストメイク」や「湯灌・納棺式」です。
故人の身だしなみを整える「ラストメイク・湯灌(ゆかん)」
病院などで行われるエンゼルケアとは別に、納棺師などが故人の顔や髪、服装を整える「ラストメイク」や、身体を清める「湯灌」を依頼できる場合があります。
闘病や入院生活で顔色や表情が変わっている場合でも、化粧や整容によって、穏やかな印象に整えられることがあります。
「できるだけきれいな姿で見送りたい」と考えている場合は、検討する価値のあるオプションです。
費用は葬儀社や内容によって異なるため、見積もり時に料金と含まれる内容を確認しておきましょう。
プロライターによる「オリジナル会葬礼状」
定型文ではなく、遺族への聞き取りをもとに、故人の人柄や思い出を文章にまとめた会葬礼状を作成してくれるサービスもあります。
「頑固だった父が、孫の前でだけ見せた笑顔」など、家族ならではのエピソードを盛り込めるため、形式的な礼状とは違った温かさを残せます。
対応の有無や料金は葬儀社によって異なるため、希望する場合は事前に確認しましょう。
これだけは注意!「棺に入れにくいもの」
「好きだったものだから」といって、何でも棺に入れられるわけではありません。
副葬品のルールは火葬場によって異なり、火葬炉への影響や安全面、環境面などから、持ち込みを制限している物があります。
火葬炉や遺骨への影響から制限されやすいもの
一般的に、次のような物は入れられない、または制限される場合があります。
- 金属・ガラス製品: メガネ、腕時計、アクセサリー、瓶類など。
- 厚みのある書籍: 辞書、ハードカバーの本、分厚いアルバムなど。
- プラスチック・ビニール・ゴム製品: おもちゃ、容器、一部の衣類や小物など。
- 水分の多い食品: スイカやメロンなど、大きな果物を丸ごと入れることを制限している火葬場もあります。
地域や火葬場によって基準は異なるため、最終的には利用する火葬場や葬儀社へ確認してください。
入れられない場合は「写真」などで代用する
棺に入れられない愛用品がある場合は、別の方法で故人らしさを表現できます。
- 写真にして入れる: 愛用のゴルフクラブや車、大きな趣味用品などは、写真にして棺に納める方法があります。
- 手元に残して供養する: 指輪やメガネなどは無理に棺へ入れず、形見として保管したり、別の方法で供養したりすることもできます。
遺骨と一緒に骨壷へ納めたい物がある場合も、自己判断せず、火葬場や葬儀社、納骨先へ事前に確認しましょう。
【根本的な演出】空間の印象を左右するのは「祭壇のお花」
ここまで、写真や音楽を使った演出アイデアを紹介してきましたが、会場全体の印象を大きく左右するものの一つが、正面に設置される「祭壇とお花のボリューム」です。
BGMや思い出コーナーにこだわっていても、祭壇がシンプルだと、全体として落ち着いた印象になります。
一方で、花の量や色合いを工夫すると、特別な演出を追加しなくても、故人らしい雰囲気を作ることができます。
予算を抑えながら花祭壇にこだわる方法
「できるだけ費用は抑えたいけれど、花祭壇は寂しくしたくない」という方は、プラン料金だけでなく、基本プランにどこまで花祭壇が含まれているかを比較することが大切です。
たとえば、ソファミ(旧・家族葬のこれから)では、花祭壇を含む家族葬プランを展開しています。
ただし、実際の花のボリュームやデザイン、式場使用料、火葬料、追加費用などは地域や利用条件によって異なるため、見積もり時に確認する必要があります。
「自分たちで細かな演出を考えるのは大変」「祭壇の見栄えにもこだわりたい」という場合は、花祭壇の内容まで含めて葬儀社を比較すると選びやすくなります。
まとめ:一番大切なのは「その人らしい」空間で送ること
家族葬の演出に決まった正解はありません。
高価な演出を追加しなくても、お気に入りの曲が流れ、愛用品や写真が飾られ、家族で故人の思い出を語れる空間であれば、その人らしいお別れにつながります。
「おじいちゃん、これ好きだったよね」。
そんな会話が自然と生まれるような、家族にとって納得できる空間を作ることが大切です。
なお、BGM・副葬品・展示物などの対応は式場や火葬場によって異なるため、希望する演出がある場合は、事前に葬儀社へ相談しておきましょう。



