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相続放棄のデメリット|実家の家も捨てないといけない?次順位への影響

【葬儀後】手続き・供養
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「亡くなった父に多額の借金が発覚した。相続放棄したい」
「でも、今住んでいる実家まで手放すのは困る……」

相続放棄は、借金を背負わなくて済む強力な制度ですが、実は「都合の良いとこ取り」は一切できない厳しいルールがあります。

プラスの財産(家や預金)も、マイナスの財産(借金)も、すべて一切合切を放棄しなければなりません。

さらに恐ろしいのは、あなたが放棄した瞬間、その借金の請求先が「親戚(次の順位の人)」に移ってしまうことです。

本記事では、相続放棄をする前に知っておくべき「3つのデメリット」と、親族トラブルを防ぐための注意点について解説します。

デメリット1:実家も車も、思い出の品も全て手放す

「借金は放棄したいけど、家や車は残したい」。
これは法律上、絶対に認められません。

「借金だけ放棄」は不可能(単純承認の罠)

相続放棄とは、法的に「はじめから相続人ではなかったことになる」制度です。借金から解放される代わりに、実家の不動産、預貯金、車、価値のある貴金属など、すべての権利を失います。

【要注意:単純承認】
もし、放棄の手続きをする前に、故人の預金を引き出して使ったり、遺品整理で高価な時計を持ち帰ったり、車を売却したりすると、その時点で「相続する意思がある(単純承認)」とみなされます。

一度単純承認とみなされると、その後どんなに借金が発覚しても、もう相続放棄はできなくなります。

住んでいる家はどうなる?

もしあなたが「故人名義の家」に同居していた場合、放棄をすればその家の権利も失います。
家は次の相続順位の人、あるいは「相続財産管理人(国)」に引き渡されることになり、最終的には競売などにかけられるため、退去しなければなりません。

「放棄しても住み続けられる」という甘い考えは捨て、引っ越しの準備が必要です。

デメリット2:借金は消えない!「次順位」へリレーされる

あなたが相続放棄をしても、借金自体が消滅するわけではありません。

「あなたが払わなくてよくなった」だけで、債権者(貸した側)は、法律で定められた「次の順位の人」へ請求に行きます。

子供が放棄すると、次は「親」→「兄弟」へ

相続には優先順位があります。

  1. 第1順位:子(あなた) ➡ 全員が放棄すると…
  2. 第2順位:直系尊属(父母・祖父母) ➡ 既に他界、または放棄すると…
  3. 第3順位:兄弟姉妹(故人の兄弟) ➡ 代襲相続で「甥・姪」まで行くことも。

つまり、あなたが「借金なんて払いたくないから放棄しよう」と手続きをした瞬間、何の罪もないおじさん・おばさんに、借金の督促状が届くことになるのです。

親戚と絶縁?事前の連絡が絶対条件

何も言わずに放棄をするのは、親戚トラブルの元です。

ある日突然、借金取りから連絡が来た親戚はパニックになり、「なぜ一言相談してくれなかったんだ!」と激怒し、絶縁状態になることも珍しくありません。

放棄をする場合は、必ず事前に次の順位の人へ連絡を入れましょう。

「父に多額の借金があったので、私は放棄の手続きをします。制度上、あなたにも通知が行くことになるので、同じように放棄の手続きをしてください」と伝え、全員で連携して放棄する必要があります。

デメリット3:期限はたった「3ヶ月」しかない

相続放棄は、いつでもできるわけではありません。

家庭裁判所への申述(しんじゅつ)が必要

親族同士の話し合いで「俺はいらないよ」と言うだけでは、法的な効力はありません。
必ず「家庭裁判所」へ申し立てを行い、受理される必要があります。

期限は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」です。

この期間を1日でも過ぎると、自動的に「借金も含めてすべて相続する(単純承認)」ことになってしまいます。
※どうしても調査に時間がかかる場合は、期間の延長を申し立てることも可能ですが、基本は3ヶ月厳守です。

それでも放棄すべきケースとは?

デメリットは強烈ですが、それでも放棄すべき場面はあります。

明らかに借金の方が多いなら迷わず放棄

シンプルに計算してください。
「プラスの財産(家の査定額+預金)」よりも、「マイナスの財産(借金)」の方が多い場合は、迷わず放棄すべきです。

家を守りたい一心で、返せる見込みのない3,000万円の借金を背負ってしまえば、あなたの人生そのものが破綻してしまいます。

家を手放してでも、借金をゼロにして再スタートを切る方が経済的合理性は高いです。

限定承認(げんていしょうにん)というウルトラC

「借金がいくらあるか不明確だ」という場合に使えるのが「限定承認」です。これは「プラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産(借金)を返済する」という制度です。

もし借金の方が多ければ、プラス分だけ払って残りは免除されますし、プラスの方が多ければ、残りは手元に残ります。

一見良さそうですが、「相続人全員の合意が必要」「手続きが非常に複雑で時間がかかる」という高いハードルがあるため、実際にはあまり利用されていません。

まとめ:自分だけの問題ではない。専門家へ相談を

相続放棄は、自分一人の問題では済みません。実家を失い、親戚を巻き込む重大な決断です。自分だけで判断せず、必ず司法書士や弁護士などの専門家に相談してください。

専門家に入ってもらえば、「次順位の人への連絡・説明」も含めてサポートしてくれるため、親族間のトラブルを最小限に抑えることができます。

【葬儀後】手続き・供養