自宅で家族が倒れている、呼びかけても反応がない――このような場面では、「救急車を呼んでよいのか」「かかりつけ医へ連絡するべきか」と迷うかもしれません。
判断のポイントは、予定された在宅看取りなのか、突然の心肺停止なのかです。本人がまだ生きている可能性がある、状況が分からない、突然倒れたという場合は、ためらわず119番へ連絡してください。
一方、在宅医療を受けており、医師・訪問看護師と「最期は自宅で看取る」という方針を事前に共有している場合は、あらかじめ指示された緊急連絡先へ連絡するのが基本です。
今まさに反応がない場合
本人が生きている可能性を家族だけで判断しないでください。突然倒れた、呼吸しているか分からない、医師から看取り時の連絡方法を聞いていない場合は119番へ連絡し、指令員の指示に従ってください。
自宅で家族が亡くなったときは救急車を呼ぶ?
突然の心肺停止や状況不明なら119番、計画的な在宅看取りなら事前に決めた医師・訪問看護師への連絡が基本です。
「自宅で亡くなったら救急車を呼んではいけない」と一律に考えるのは適切ではありません。救急要請が必要かどうかは、本人の療養状況と急変時の対応方針によって異なります。
| 状況 | 最初の連絡先 |
|---|---|
| 突然倒れた・原因不明・反応や呼吸がない | 119番 |
| 在宅療養中で、自宅看取りの方針と連絡方法を医療者と共有済み | かかりつけ医・訪問看護師など指定された連絡先 |
| 救急車を呼ぶほどか判断に迷うが、本人に反応があり緊急性が判断できない | 対応地域では#7119も相談先 |
#7119は、急な病気やけがで「救急車を呼ぶべきか」「今すぐ受診すべきか」迷ったときに、医師・看護師・救急救命士などから助言を受けられる救急相談窓口です。すべての地域で同じように利用できるわけではないため、地域の対応状況を確認してください。
突然倒れて反応がない場合は119番へ連絡する
突然の心肺停止では救命できる可能性があるため、家族が死亡と判断せず119番通報を優先します。
元気に生活していた人が突然倒れた、外傷がある、事故や転倒の可能性がある、呼吸しているか分からないといった場合は119番へ連絡してください。
119番では、指令員から意識や呼吸の状態を確認され、必要に応じて胸骨圧迫などの応急手当を案内されます。指示があれば、その内容に従います。
「冷たくなっている」だけで死亡と判断しない
家族が見た状態だけで、死亡したと断定することはできません。特に発見直後で状況が分からない場合は、救急要請が必要かどうかを自分だけで判断しないことが重要です。
明らかな外傷や不自然な状況がある場合
転倒、事故、外傷、薬物、事故死の可能性などがある場合は、状況を119番で伝えてください。必要に応じて警察など関係機関との連携が行われます。
在宅療養中で看取りの方針が決まっている場合
自宅看取りを予定している場合は、急変時と死亡時の連絡方法を事前に医師や訪問看護師と確認しておきます。
末期がんや老衰などで訪問診療・訪問看護を受けており、本人と家族、医療・ケアチームの間で「最期は自宅で過ごす」という方針が共有されている場合があります。
このケースでは、呼吸が止まったときに119番へ連絡するのではなく、事前に案内されている医師や訪問看護師の緊急連絡先へ電話する取り決めになっていることがあります。
ただし、「在宅療養中なら救急車を絶対に呼んではいけない」という意味ではありません。本人の状態や事前の意思、地域の救急対応ルールによって対応が異なるため、平時のうちに医療者と確認しておくことが重要です。
家族全員で連絡先を共有しておく
- かかりつけ医・訪問診療クリニックの緊急連絡先
- 訪問看護ステーションの連絡先
- 急変時に119番を呼ぶのか、医療者へ連絡するのか
- 本人が希望している医療・ケアの内容
- 服薬内容や持病
救急車を呼ぶと必ず警察が来るわけではない
救急要請や死体検案書の交付だけで自動的に警察対応になるわけではなく、異状の有無などによって判断されます。
「自宅で亡くなって救急車を呼ぶと、必ず警察の検視になる」と説明されることがありますが、一律ではありません。
厚生労働省は、死亡診断書は医師が生前に診療していた傷病に関連する死亡と認める場合に、死体検案書はそれ以外の場合などに交付されると説明しています。また、死体検案書を交付する場合でも、死体に異状が認められなければ警察への届出は必要ないとしています。
一方、医師が死体を検案して異状があると判断した場合は、医師法第21条に基づき所轄警察署への届出が必要です。警察が関与するかどうかは、単に「自宅で死亡した」「救急車を呼んだ」という事実だけで決まるものではありません。
「最後の診察から24時間」を過ぎても死亡診断書は出せる
最終診察から24時間以上経過していても、医師が死亡後に診察し、診療中の傷病による死亡と判断できれば死亡診断書を交付できます。
「24時間以内に診察を受けていないと死亡診断書を書いてもらえない」という説明も正確ではありません。
厚生労働省のFAQでは、最終診察から24時間以上経過して死亡した場合でも、医師が死亡後に改めて診察し、生前に診療していた傷病に関連する死亡と認められる場合は、死亡診断書を交付できると示されています。
そのため、在宅看取りを希望する場合は「何時間以内に診察を受けるか」だけでなく、夜間・休日を含めて死亡時にどこへ連絡するのかを医療機関と確認しておくことが重要です。
医師・救急隊・警察が到着するまでにすること
到着を待つ間は電話で受けた指示を優先し、自己判断で身体を移動させたり処置したりしないようにします。
119番した場合は指令員の指示に従う
救命処置が必要と判断された場合は、胸骨圧迫などを案内されることがあります。自己判断で「もう亡くなっている」と考えて処置を中止せず、指示に従ってください。
自宅看取りの場合も医療者へ確認する
予定された在宅看取りの場合は、医師や訪問看護師へ連絡し、到着までどうすればよいかを確認します。身体を整える、着替えをする、保冷するなどの処置は、死亡確認の後に医療者や葬儀社の指示を受けて行う方が安全です。
事故や異状が疑われる場合は現場を変えない
事故や事件の可能性がある場合は、警察による確認が必要になることがあります。周囲の物を片付けたり、身体を移動させたりせず、関係機関の指示を待ってください。
死亡確認後から葬儀社へ連絡するまでの流れ
医師による死亡確認と死亡診断書などの手続き後、葬儀社へ連絡し、安置と葬儀の準備を進めます。
- 医師が死亡を確認する
状況に応じて死亡診断書または死体検案書が交付されます。 - 必要に応じて清拭・着替えを行う
訪問看護師などがエンゼルケアを行う場合があります。 - 葬儀社へ連絡する
自宅安置を続けるのか、安置施設へ搬送するのかを相談します。 - 葬儀形式と日程を決める
火葬場の空き状況、親族の予定、宗教者の都合などを確認します。
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死亡確認後に「まず何をするか」を時系列で確認したい方は、死亡後から搬送・葬儀社決定までの最初の2時間も参考にしてください。
葬儀社が決まっていない場合の選び方
死亡確認後に葬儀社を探す場合でも、搬送だけで即決せず、プラン総額と追加費用を確認してから契約します。
慌ただしい場面では、最初に電話した葬儀社へそのまま依頼してしまいがちです。しかし、搬送費、安置料、ドライアイス、火葬料、式場料などがプラン外になることもあります。
可能であれば、電話で「希望する葬儀形式」「参列予定人数」「安置場所」「総額の目安」を確認してください。
料金と追加費用を事前に確認したい方は、「家族葬のこれから」の口コミ・料金・追加費用の調査記事も参考にしてください。
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自宅で家族が亡くなったときのよくある質問
救急車を呼ぶかどうかは、突然の急変か、在宅看取りの計画があるかで判断が大きく変わります。
自宅で息をしていない家族を見つけたら、救急車を呼んではいけませんか?
一律に「呼んではいけない」わけではありません。突然の心肺停止や状況不明なら119番へ連絡してください。計画的な在宅看取りの場合は、事前に医師から指示された連絡先へ連絡します。
救急車を呼ぶと必ず警察が来ますか?
必ずではありません。医師が異状を認めるかどうかなど、個別の状況によって警察への届出が判断されます。
かかりつけ医がいれば必ず死亡診断書を書いてもらえますか?
必ずとは限りません。医師が生前に診療していた傷病に関連する死亡と判断できる場合など、医学的な判断に基づいて死亡診断書が交付されます。
最終診察から24時間を超えたら警察扱いになりますか?
24時間を超えただけで警察扱いになるわけではありません。死亡後に医師が診察し、診療中の傷病による死亡と認めれば、死亡診断書を交付できる場合があります。
老衰で在宅看取り中でも119番を呼んでよいですか?
急変時の対応について医師と取り決めがある場合は、その内容を優先してください。取り決めがなく、本人の状態が分からない場合は、119番などへ相談し、指示を受けてください。
まとめ:突然の急変と在宅看取りを分けて判断する
突然倒れた場合は119番、予定された在宅看取りでは医療者と決めた連絡方法に従うのが基本です。
自宅で家族の反応がないときに、「救急車を呼ぶと警察が来るから呼ばない方がよい」と考えて救急要請をためらうのは危険です。救命できる可能性がある状況では119番へ連絡してください。
一方、終末期の在宅療養で自宅看取りを希望している場合は、本人の意思を尊重できるよう、平時から医師・訪問看護師と急変時の対応を話し合い、家族全員で連絡先と手順を共有しておくことが重要です。
参考情報
死亡診断書や救急相談については、厚生労働省・総務省消防庁の公式情報も確認してください。


