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デジタル遺品|スマホのパスワード・ネット銀行・SNSアカウントの処分

【基礎】判断・準備
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「亡くなった父のスマホが開かない。連絡先が分からない」
「ネット銀行に資産があるはずだが、IDもパスワードも不明」
「自分の死後、このパソコンの中身だけは誰にも見られたくない……」

今、遺品整理の現場で最もトラブルになっているのが、スマホやPCの中に残された「デジタル遺品」です。

紙の通帳やアルバムと違い、パスワードがわからなければ、そこにあるはずの思い出も、数百万円の資産も、永遠に闇の中へ消えてしまいます。

結論から言えば、携帯ショップに行ってもスマホのロックは解除してくれません

本記事では、遺族が直面する「スマホが開かない問題」の対処法と、生前にやっておくべき「デジタル終活」の具体的な手順を解説します。

携帯ショップでは無理?「スマホのロック」という巨大な壁

まず、残酷な現実をお伝えしなければなりません。家族が亡くなった後、本人のスマホが開けずに困ってキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク等)のショップに駆け込む遺族が多いですが、徒労に終わります。

キャリアも警察も「解除」はできない

iPhoneやAndroidの画面ロック(パスコード・指紋・顔認証)は、非常に強固なセキュリティで守られています。

これは「契約者のプライバシー」を守るためであり、たとえ遺族が「死亡診断書」や「戸籍謄本」を持って行ったとしても、携帯ショップがロックを解除することは絶対にありません(技術的にも、店員には解除権限がありません)。

警察であっても、事件性がない限りロック解除を試みることはありません。つまり、パスワードが分からないスマホは、ただの「黒い板」になってしまうのです。

数十万円かかる?「デジタル鑑識業者」の実態

どうしても中身(写真や連絡先)を取り出したい場合、「デジタル遺品復旧」を謳う専門業者に依頼する方法があります。

しかし、これには高いハードルがあります。

  • 費用が高額: 成功報酬で20万〜30万円以上かかるケースが一般的です。
  • 成功率は100%ではない: 最新のiPhoneなどはセキュリティが堅牢すぎて、プロでも開けられないことが多いです。
  • 時間がかかる: 解析に数ヶ月〜半年かかることもあります。

放置すると危険!「ネット銀行」と「サブスク」の罠

スマホが開かないことで発生する最大のリスクは「お金」です。

通帳がない銀行口座(資産)の探し方

最近は「通帳のないネット銀行」や「スマホ証券」を利用する高齢者も増えています。スマホが開かないと、遺族はそこに資産があることすら気づけません。

【手がかりの探し方】

  • 郵便物: ネット銀行でも、重要なお知らせはハガキで届くことがあります。郵便物は全てチェックしてください。
  • メール(PC): スマホは開かなくても、パソコンのメールソフトは開ける場合があります。「銀行」「証券」で検索をかけましょう。
  • 確定申告書: 過去の申告書に、ネット銀行の利子や配当所得が記載されていないか確認します。

解約しないと永遠に引き落としが続く(サブスク)

動画配信サービス、有料アプリ、クラウドストレージなどの「月額課金(サブスクリプション)」は、本人が亡くなっても引き落としが続きます。

スマホが開かず解約手続きができない場合は、クレジットカード会社に連絡して「カード自体を解約・停止」させてください。

決済ができなくなることで、紐付いているサブスクリプションも強制的に解約(利用停止)扱いになります。

【生前の対策】自分が死んだらどうする?

これを読んでいるあなたが「もし自分だったら」と不安になったなら、今すぐ対策をしておきましょう。

パスワードは「紙」に書いて隠すのが最強

パスワード管理アプリなどは便利ですが、遺族がそのマスターパスワードを知らなければ意味がありません。

最も確実なのは、「スマホのロック解除コード」と「金融機関のパスワード」だけを紙に書き、エンディングノートや封筒に入れておくことです。

防犯上、すべてを詳細に書く必要はありません。「スマホ:誕生日の逆」「PC:いつもの」など、家族なら分かるヒントでも十分です。

そして、信頼できる一人だけに「あそこにメモがある」と保管場所を伝えておきましょう。

見られたくないデータ(隠しフォルダ・履歴)の処理

「資産は見せたいが、趣味の画像や検索履歴は見られたくない」という人も多いでしょう。
その場合は、以下の方法で対策します。

  • 見られたくないデータは隔離する: 隠しフォルダに入れ、そこだけ別のパスワードをかけ、そのパスワードは書き残さない。
  • 自動削除設定を使う: Googleの「アカウント無効化管理ツール」などを設定し、一定期間アクセスがない場合にデータを自動削除するようにしておく。

SNSアカウント(LINE・Facebook・X)の追悼・削除

SNSもデジタル遺品の一つです。放置すると「乗っ取り」の被害に遭う可能性があるため、遺族による手続きが推奨されます。

アカウントを「削除」するか「追悼」するか

各SNSには、遺族からの申請により以下の対応をしてくれる機能があります。

  • Facebook・Instagram: アカウントを削除するか、「追悼アカウント」として保存し、友人が思い出をシェアできる場所に切り替えることができます。
  • X(旧Twitter): 基本的に「削除」のみ対応しています。

いずれも、申請には「死亡診断書」や「遺族であることを証明する書類」の提出が必要です。

LINEのアカウント引き継ぎはできない

LINEは「1人1アカウント・1端末」が原則です。スマホのロックが開かない限り、遺族が中身(トーク履歴)を見ることはできませんし、自分のスマホにアカウントを引き継ぐこともできません。

遺族ができるのは、LINE社に申請して「アカウントを削除(退会)」してもらうことだけです。

まとめ:デジタル遺品は「資産」と「秘密」を分ける

デジタル遺品対策のコツは、情報を2つに分けることです。

  1. 家族に見せないと困るもの(資産): ネット銀行、株、スマホのロックNo.
  2. 墓場まで持っていきたいもの(秘密): 趣味のデータ、プライベートなやり取り

1番の情報だけは、必ず紙に残してください。それが、残された家族を路頭に迷わせないための、あなたの最後の責任です。

参考文献・公的機関リンク集

当サイト『家族葬の判断ガイド』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。

法律・手続き・トラブル

税金・年金・お金

【基礎】判断・準備