「葬儀費用がかさんでしまった。保険金はいつ入る?」
「保険金にも相続税はかかるの?」
故人が生命保険に入っていた場合、それは遺族にとって大きな助けになります。
実は、生命保険(死亡保険金)は、銀行預金のように「凍結」されません。遺産分割協議を待つことなく、受取人が書類さえ出せば、最短数日で現金を受け取ることができます。
本記事では、意外と知らない「保険金の請求期限」や、受け取った金額にかかる「税金(非課税枠)」の仕組みについて解説します。
いつ入金される?生命保険は「葬儀後の即戦力」
銀行口座は名義人が亡くなると凍結され、引き出しに手間取りますが、生命保険は違います。
受取人にとって、最もスピーディーに現金化できる資産です。
請求から「1週間以内」が目安
必要書類が保険会社に到着し、不備がなければ、多くの保険会社では原則5営業日以内に指定口座へ振り込まれます。
葬儀が終わってすぐに手続きをすれば、葬儀社への支払期限(通常1週間〜10日後)に間に合う可能性が高く、資金繰りの強い味方になります。
遺産分割協議の対象外(ハンコがいらない)
最大の特徴は、死亡保険金が法律上「受取人固有の財産」とみなされることです。
つまり、他の相続人(兄弟や親戚)と遺産分けの話し合いで揉めていても、受取人に指定されている人は、他の相続人の同意やハンコなしで、単独で全額を受け取ることができます。
税金はかかる?知っておくべき「3つのパターン」
「保険金には税金がかかるのか?」という疑問への答えは、「誰が保険料を払って(契約者)、誰が受け取るか」によって変わります。
以下の表で、ご自身のケースを確認してください。
| パターン | 契約者 (保険料負担) |
被保険者 (亡くなった人) |
受取人 | かかる税金 |
|---|---|---|---|---|
| 1 (一般的) |
父 | 父 | 母 (または子) |
相続税 (非課税枠あり) |
| 2 | 母 | 父 | 母 | 所得税 (一時所得) |
| 3 (要注意) |
母 | 父 | 子 | 贈与税 (税率が高い) |
パターン1:相続税(一番多いケース)
亡くなった本人が保険料を払っていた場合です。
この場合、遺族の生活を守るために、非常に強力な「非課税枠(ひかぜいわく)」が用意されています。
【生命保険の非課税枠 計算式】
500万円 × 法定相続人の数
例えば、相続人が「妻と子供2人(計3人)」の場合、
500万円 × 3人 = 1,500万円
までは、受け取っても税金がかかりません。現金で残すよりも節税効果が高いため、多くの人が利用しています。
パターン2:所得税(一時所得)
「自分で夫に保険を掛け、自分が受け取った」という場合です。
これは「自分が積み立てたお金が戻ってきた」とみなされ、増えた利益分に対して所得税がかかります(一時所得)。
パターン3:贈与税(一番損するケース)
「母が夫に保険を掛け、それを子供が受け取った」という場合です。
これは「母のお金を、子供にあげた」とみなされ、税率が最も高い贈与税の対象となります。税負担が重くなるため、契約内容には注意が必要です。
請求に必要な書類と手続きフロー
手続きは、担当の保険外交員(生保レディ)か、コールセンターに電話をすることから始まります。
まずは保険会社(または代理店)に連絡
保険証券がお手元にあれば、「証券番号」を伝えるとスムーズです。もし証券が見つからなくても、亡くなった方の名前、生年月日、住所などで照会可能ですので、諦めずに連絡してください。
必要書類(死亡診断書のコピーなど)
一般的に以下の書類が必要になります。
- 保険金請求書: 保険会社から送られてきます。
- 死亡診断書(コピー可の場合も): 医師に発行してもらった原本は1通5,000円〜1万円と高額です。保険会社によっては「コピーで可」の場合が多いので、必ず確認してください。
- 受取人の戸籍謄本・印鑑証明書
- 保険証券: 紛失していても手続きは可能です。
時効に注意!請求期限は「3年」
保険金請求には期限があります。
放置すると権利が消滅する
保険法により、「支払事由(死亡)が発生してから3年」経過すると、時効により請求権が消滅すると定められています。
「遺品整理をしていたら、古い保険証券が出てきた!」という場合でも、3年以内であれば間に合います。気づいたらすぐに連絡しましょう。
まとめ:保険金は遺族を守る最後のプレゼント
家族を亡くした悲しみの中で、お金の手続きをするのは気が引けるかもしれません。
しかし、生命保険は、故人が「自分が死んだ後、家族が困らないように」と願いを込めて用意してくれた最後のプレゼントです。
手続きは意外と簡単です。先延ばしにせず、葬儀が終わったらすぐに請求を行い、生活の基盤を確保してください。
参考文献・公的機関リンク集
当サイト『家族葬の判断ガイド』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。

