「実家を処分することになった。仏壇はどうすればいい?」
「粗大ゴミに出して、バチが当たったりしない?」
仏壇は、ただの家具ではありません。長年、手を合わせてきた場所だからこそ、処分することに強い罪悪感や恐怖を感じるものです。
結論から言えば、仏壇を粗大ゴミとして捨てることは法律上問題ありません。
しかし、そのためには必ず「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式を行い、仏壇を「ただの木の箱」に戻す必要があります。
本記事では、仏壇・位牌を処分する前の「魂抜きのマナー」と、お寺や業者に依頼する場合の「費用相場」について解説します。
捨てる前に必須!「閉眼供養(魂抜き)」とは
どんな処分方法を選ぶにせよ、最初に必ず行わなければならないのが「閉眼供養」です。
一般的には「魂抜き(たましいぬき)」や「お性根抜き(おしょうねぬき)」とも呼ばれます。
仏様の魂を抜いて「ただの物」に戻す儀式
仏壇や位牌を新しく購入した際、お坊さんに来てもらって「開眼供養(魂入れ)」をしたはずです。
処分する時は、その逆の手順を行います。
読経によって仏様の魂を抜き取ってもらうことで、仏壇は「礼拝の対象」から「ただの木の箱(家具)」に戻ります。
これをしないまま捨てるということは、魂が入ったままゴミに出すことになり、宗教的にも心情的にも絶対に避けるべき行為です。
お布施の相場は1万〜3万円
菩提寺(ぼだいじ)のお坊さんに自宅まで来てもらい、仏壇の前でお経をあげてもらいます。
お布施の相場は1万円〜3万円程度です。
※菩提寺がない場合は、仏壇店や処分業者が提携している僧侶を紹介してもらうことも可能です。
仏壇の処分方法3選と費用比較
魂を抜いてしまえば、あとは物理的に処分するだけです。
大きく分けて3つの方法があります。
| 処分方法 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 菩提寺に依頼 | 3万円 〜 10万円 (お布施含む) |
閉眼供養とお焚き上げをセットでやってくれる。 最も丁寧で安心な方法。 |
| 2. 仏壇店・業者 | 2万円 〜 5万円 | 引き取りに来てくれるので楽。 買い替えなら無料になることも。 |
| 3. 粗大ゴミ | 500円 〜 2,000円 | 自治体のルールに従って出す。 圧倒的に安いが、近所の目が気になる。 |
1. 菩提寺にお焚き上げしてもらう(一番安心)
お寺によっては、閉眼供養をした後、そのまま仏壇を引き取って焼却(お焚き上げ)してくれる場合があります。
費用はかかりますが、最後まで供養してもらえるため、最も罪悪感がない方法です。
2. 仏壇店・専門業者に引き取ってもらう(楽ちん)
近くの仏壇店や、遺品整理業者に依頼する方法です。プロが運び出してくれるため、大型の仏壇でも安心です。
新しい仏壇への「買い替え」であれば、古い仏壇を無料で引き取ってくれるお店も多いです。
3. 自治体の粗大ゴミに出す(一番安い)
閉眼供養が済んでいれば、法律上はタンスや棚と同じ「粗大ゴミ」として処分できます。
自治体の処理券(シール)を購入し、指定場所に出すだけなので、費用は数千円で済みます。
粗大ゴミに出す場合の注意点とマナー
安く済む粗大ゴミですが、デリケートな品物だけに配慮が必要です。
位牌(いはい)や本尊(仏像)はゴミに出さない
ここが重要です。仏壇(箱)はゴミとして出せても、ご先祖様の名前が彫られた「位牌」や「ご本尊(仏像)」をゴミ袋に入れるのは、あまりに忍びないものです。
これらは燃えるゴミに出さず、お寺に持参して「お焚き上げ」を依頼してください。
近所の目への配慮
そのままの姿でゴミ集積所に出すと、近所の人に「あそこの家は仏壇を捨てた」「バチ当たりだ」と噂されるリスクがあります。
扉を外して解体する、新聞紙や段ボールで包んで中身が見えないようにするなど、周囲への配慮をするのがマナーです。
トラブル回避!親族への相談は絶対に必要
仏壇処分で最も多いトラブルは、親族間での揉め事です。
勝手に捨てると一生恨まれる
あなたにとっては「場所を取る邪魔な箱」でも、離れて暮らす親戚にとっては「亡き両親と会える心の拠り所」かもしれません。
何も言わずに処分すると、「勝手に捨てた!」と一生恨まれる可能性があります。
必ず事前に、「きちんと魂抜き(閉眼供養)をした上で処分するつもりだ」と報告し、中の位牌をどうするか(誰かが引き継ぐか、永代供養にするか)を話し合ってください。
まとめ:感謝の気持ちを込めて「閉眼」しよう
仏壇を処分すること自体は、決して悪いことではありません。
管理できずにホコリまみれで放置したり、空き家の中で荒れ放題にしたりする方が、よっぽどご先祖様に対して失礼にあたります。
「今まで家を守ってくれてありがとう」という感謝を込めて、しっかりと閉眼供養を行い、役割を終わらせてあげることが、現代における最後の親孝行と言えるでしょう。

