「お世話になった方の訃報が届いたけれど、『家族葬』と書いてある」
「日時と場所は書いてあるけれど、行っていいの?」
近年急増している家族葬ですが、案内を受け取った側としては「どこまでが家族?」「友人は行ってはいけない?」と判断に迷うものです。
結論から言えば、「参列をお願いします」という明確な招待がない限り、当日の参列は控えるのがマナーです。
良かれと思って会場に行ったり、勝手に香典を送ったりすることは、かえって遺族の負担(対応の手間)を増やしてしまいます。
本記事では、家族葬の案内が来た時の「参列の判断基準」と、行かずに弔意(お悔やみ)を伝えるための「弔電・供花」のルールについて解説します。
【鉄則】「参列依頼」がない限り、会場には行かない
まず、最も多くの人が勘違いしているポイントです。
「案内状やFAXに、日時と場所が書いてある=行っていい」ではありません。
日時・場所が書いてあっても「報告」の場合がある
町内の回覧板や、会社からのFAXに葬儀日程が書かれていることがありますが、これは単なる「事実の通知(報告)」であって「招待状」ではないケースが多々あります。
文面のどこかに、以下の文言があれば、親族以外の参列は絶対NGのサインです。
- 「葬儀は近親者のみにて執り行います」
- 「誠に勝手ながら一般の方のご参列はご遠慮申し上げます」
迷ったら「行かない」が正解
「自分は故人と親しかったから特別かも…」という自己判断は禁物です。
家族葬は、「身内だけでゆっくりお別れしたい」という遺族の強い希望で行われるものです。そこに招待されていない人が現れると、遺族は対応に追われ、大切な時間を奪われてしまいます。
もしどうしても確認したい場合は、忙しい遺族に直接電話するのではなく、案内にある「担当葬儀社」に電話して確認してください。
香典・供花・弔電を送ってもいい?判断フロー
参列しない代わりに「何か送りたい」と思うのが人情ですが、ここにもルールがあります。
案内状にある「辞退」の文言をよく確認してください。
| 案内状の記載 | 香典 | 供花 | 弔電 |
|---|---|---|---|
| 「ご厚志は辞退します」 | × NG | × NG | ◯ OK |
| 「香典は辞退します」 (供花への言及なし) |
× NG | ◯ OK | ◯ OK |
| 「弔電も辞退します」 | × NG | × NG | × NG |
| 辞退の記載なし | ◯ OK | ◯ OK | ◯ OK |
案内状の「辞退」の文言をチェックする
「ご厚志(こうし)は辞退申し上げます」とあれば、香典・供花・供物は一切送ってはいけません。
無理に送ると、遺族は受け取った以上「お返し(香典返し)」の準備をしなければならず、かえって迷惑をかけてしまいます。
弔電(電報)だけは受け取るケースが多い
「ご厚志辞退」とあっても、弔電(お悔やみの電報)はお返しの品を用意する必要がないため、受け付けている場合がほとんどです。
「弔電も辞退」と明記されていない限り、弔電を送るのが、家族葬における最もスマートな弔意の示し方です。
参列できない場合のお悔やみの伝え方
当日行けない代わりにできる、2つのアクションを紹介します。
1. 葬儀場へ「弔電(ちょうでん)」を送る
NTT(115番)や、ネットの電報サービスを使って、葬儀会場宛にメッセージを送ります。
通夜の前日、遅くとも告別式の開始時間(午前中など)までに届くように手配しましょう。
※宛名は「〇〇家 ご遺族様」とし、差出人はフルネームで記載します。
2. 後日、自宅へ弔問(ちょうもん)に行く
葬儀が終わり、少し落ち着いた頃(四十九日まで)に、自宅へ伺って線香をあげさせてもらう方法です。
ただし、いきなり訪問するのはマナー違反です。必ず事前に電話で「お線香だけでもあげさせていただきたいのですが」と都合を伺いましょう。
※その際、お菓子やお線香などの「消えもの」の手土産を持参するのがマナーです。
会社として対応する場合の注意点
社員の家族や取引先が亡くなり、会社として対応する場合も、基本は「遺族優先」です。
慶弔規定があっても「遺族の意向」が最優先
会社の慶弔規定で「香典を出す」と決まっていても、遺族が辞退していれば、渡してはいけません。
また、「社長が参列すべきか」についても、勝手に行かず、必ず事前に葬儀社を通じて確認してください。
無理な参列や香典は、会社の面子を保つためではなく、遺族を困らせるだけの行為になりかねません。
まとめ:家族葬は「そっとしておいて」というサイン
「最後に一目会いたい」という気持ちは痛いほど分かります。
しかし、遺族が家族葬を選んだということは、「今はそっとしておいてほしい」「家族だけで静かに見送りたい」という意思表示です。
その気持ちを尊重し、遠くから静かに手を合わせること。
それが、故人と遺族に対する一番の供養であり、優しさです。

