葬儀や法要が落ち着いた頃、気になり始めるのが「故人の荷物(遺品)」です。
「実家の荷物が多すぎて、どこから手をつければいいかわからない」
「親の思い出の品を捨てることに罪悪感がある」
そう悩んで、何年も手つかずのまま放置してしまうケース(空き家問題)が増えています。しかし、遺品整理には「始めるべきベストなタイミング」と、心が折れずに進めるための「仕分けの鉄則」があります。
本記事では、遺品整理を始める時期の目安から、自力で片付けるための具体的な手順、そしてプロ(遺品整理業者)に頼む場合の費用相場までを完全ガイドします。
【時期】遺品整理はいつやる?「四十九日後」がベストな理由
「いつから始めるべき?」という問いへの答えは、一般的に「四十九日法要が終わった後」が最適とされています。
気持ちの整理(忌明け)と親族の集まりを有効活用する
四十九日は「忌明け」と呼ばれ、遺族が喪に服す期間が終わり、日常生活に戻る区切りです。また、法要のために親族が集まるタイミングでもあります。
この時に、故人の愛用品(時計、アクセサリー、着物など)を見てもらい、「形見分け(かたみわけ)」として引き取ってもらえれば、整理が非常にスムーズに進みます。
賃貸の場合は「家賃発生」との戦いになる
ただし、故人が「賃貸アパート・マンション」で一人暮らしをしていた場合は別です。解約しない限り、誰も住んでいない部屋の家賃を払い続けなければなりません。
この場合は、四十九日を待たずに、葬儀後すぐに管理会社へ連絡し、「退去期限」を決めてからスピード優先で片付ける必要があります。
相続税申告(10ヶ月以内)までのリミット
もう一つの期限が「相続税の申告」です。故人が亡くなってから10ヶ月以内に申告・納税をする必要があります。
遺品整理は単なる掃除ではなく、「タンス預金、通帳、土地の権利書、保険証券」などの重要資産を見つけ出す作業でもあります。ギリギリになって慌てないよう、早めの着手が推奨されます。
挫折しない!自力で片付けるための「3箱仕分け術」
いざ片付けを始めると、「捨てるべきか、残すべきか」と迷ってしまい、手が止まってしまうのが最大の失敗パターンです。
これを防ぐために、段ボール箱を3つ用意してください。
段ボールを3つ用意する(1.残す 2.処分 3.保留)
目の前の物を、以下の3つの箱に機械的に振り分けていきます。
- 残す箱: 貴重品、重要書類、絶対に手元に置きたい形見。
- 処分する箱: 明らかなゴミ、汚れや傷みがある服、使わない日用品。
- 保留ボックス(重要): 「どうしようかな?」と3秒迷ったものは全てここへ。
作業が止まる原因は「迷い」です。迷ったらとりあえず「保留」に投げ込み、作業を止めないこと。保留ボックスがいっぱいになったら、後日改めて冷静な頭で判断すればOKです。
写真・手紙などの「思い出の品」は最後にやる
アルバムや手紙などの「思い出の品」から手を付けるのはNGです。見入ってしまい、数時間経っても全く片付かない…という事態に陥ります。
まずは感情の入りにくい「衣類」「食器」「本」などから始め、思い出の品は一番最後にするのが鉄則です。
捨てにくい品(人形・仏壇)の供養方法
日本人形やぬいぐるみ、仏壇、神棚などは、ゴミ袋に入れて捨てるのに抵抗があると思います。その場合は、お寺や神社で「お焚き上げ(供養)」を依頼するか、遺品整理業者に「供養処分」を依頼しましょう。
「今までありがとう」と感謝して手放すことで、罪悪感が薄れます。
プロに頼むといくら?「遺品整理業者」の費用相場
「実家が遠方にある」「荷物が多すぎて自分たちでは無理」という場合は、プロの遺品整理業者に依頼します。
間取り別の一般的な費用相場は以下の通りです。
| 間取り | 費用相場(目安) | 作業人数・備考 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 3万円 〜 8万円 | 1〜2名(荷物が少ない場合) |
| 1LDK・2DK | 7万円 〜 15万円 | 2〜3名 |
| 2LDK・3DK | 12万円 〜 25万円 | 3〜4名(ファミリータイプ) |
| 3LDK以上 (一軒家など) |
18万円 〜 50万円超 | 4名〜(トラック数台分) |
※上記はあくまで目安です。ゴミ屋敷状態の場合や、エレベーターのない団地の高層階などの場合は追加料金がかかります。
【注意】業者トラブル回避!悪質業者の見分け方
遺品整理業界には、残念ながら悪質な業者も存在します。以下の点に注意してください。
「無料回収」「飛び込み営業」には絶対頼まない
「不用品を無料で回収します」とトラックで回っている業者や、突然訪問してくる業者は避けてください。
荷物を積んだ後に高額な料金を請求されたり、回収した遺品を山林に不法投棄されたりするリスクがあります(依頼主であるあなたに責任が及ぶこともあります)。
必ず「訪問見積もり」を取り、追加料金なしを確認する
電話だけで見積もりを出す業者は危険です。必ず現地を見てもらい、「これ以上、追加料金は一切かからないか」を書面で確認してから契約してください。
また、一社だけで即決せず、必ず2〜3社で「相見積もり」を取りましょう。「遺品整理士」の資格を持っている業者は、比較的信頼性が高いと言えます。
まとめ:遺品整理は「心の整理」。無理せずプロの手も借りよう
遺品整理は、単なる不用品処分ではありません。一つひとつの品物に詰まった思い出と向き合い、お別れをする「心の整理」の時間です。
「親不孝になるから」と無理をして、遺族が心身を壊してしまっては、天国の親御さんも悲しみます。
辛い時はプロの手を借りて、短期間で終わらせることも立派な供養の一つです。ご自身のペースで進めてください。
参考文献・公的機関リンク集
当サイト『家族葬の判断ガイド』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。

