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孤独死・孤立死|発見後の特殊清掃と遺体の引き取り拒否について

【流れ】当日・マナー
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「疎遠だった叔父がアパートで亡くなっていたらしい」
「死後数週間が経過して発見された」

警察からの突然の電話。孤独死(孤立死)の現場は、通常の死とは全く状況が異なります。
腐敗が進んだ遺体、耐えがたい異臭、そして高額な原状回復費用……。

「遺体を引き取るべき?」「部屋の片付けは誰がやるの?」「費用は払えない」

そんなパニック状態の遺族に向けて、発見直後に取るべき行動と、絶対にやってはいけない「相続トラブルの種」について解説します。

警察介入が基本。孤独死発覚からの流れ

孤独死や孤立死の場合、発見された時点で「異状死」として扱われます。すぐに家族が駆けつけても、部屋に入ることは許されません。

まずは警察署での身元確認と検視

警察が到着すると、現場検証と検視(事件性の有無の確認)が行われます。

遺体はそのまま警察署へ運ばれることが多く、遺族は署に出向いて本人確認を行います。

※警察署での詳しい手続きについては、警察署での引き取りをご覧ください。

遺体の状態が悪いため「直葬(火葬式)」一択になる

死後数日が経過している場合、遺体の腐敗が進んでおり、通常の葬儀(通夜・告別式)を行うことは困難です。

衛生的観点や臭いの問題から、専用の「納体袋(のうたいぶくろ)」に納められ、棺の蓋を釘打ちした状態で、火葬場へ直行する「直葬(ちょくそう)が一般的な対応となります。

部屋には入るな!「特殊清掃」が必要な理由

警察の許可が出ても、遺族だけで部屋に入り、掃除をしようとするのは絶対にやめてください。
トラウマになるほど凄惨な現場である可能性が高いからです。

市販の洗剤では落ちない「死臭」と体液

孤独死現場では、遺体から流出した体液や血液が、布団や畳を超えて床下のコンクリートまで染み込んでいるケースが多々あります。

強烈な腐敗臭(死臭)は市販の消臭剤では消えず、感染症のリスクやウジ・ハエなどの害虫も発生しています。これらは、専門知識を持った「特殊清掃業者」でなければ原状回復できません。

特殊清掃の費用相場(数万〜数十万円)

費用は部屋の広さや、発見までの日数(汚染度合い)によって大きく変動します。

  • 床上の清掃・消毒のみ: 5万円〜15万円
  • 床の解体・リフォーム含む: 30万円〜100万円以上

オゾン脱臭機などの特殊機材を使用するため高額になりがちです。突然のことで費用の工面が難しい場合は、葬儀ローンや分割払いが使える葬儀社を選びましょう。

※故人が「孤独死保険」付きの賃貸契約を結んでいれば、保険でカバーできる場合があるため確認してください。

【要注意】片付ける前に「相続放棄」するか決める

ここが最も重要なポイントです。部屋の片付けに着手する前に、必ず「故人の財産(借金含む)を相続するかどうか」を決めてください。

遺品を処分すると「借金も相続」してしまう

孤独死された方の中には、消費者金融からの借金や家賃滞納を抱えているケースが少なくありません。

もし、遺族が「部屋の片付け(遺品の整理・処分)」をしてしまうと、法律上「相続する意思がある(単純承認)」とみなされてしまいます。

その結果、後から借金が発覚しても「相続放棄」ができなくなり、遺族が借金を返済する義務を負うことになります。「金目のものだけ持ち帰る」「ゴミを捨てる」といった行為もNGです。

相続放棄するなら、管理会社や大家への対応は慎重に

大家さんや管理会社から「早く片付けてくれ」「原状回復費用を払え」と強く迫られることがあります。

しかし、もしあなたが故人の「連帯保証人」になっていないのであれば、相続放棄をすることで、支払い義務や片付け義務から逃れることができます。

うかつに「払います」「片付けます」とサインしたり、一部でも支払ったりすると、支払い意思があるとみなされます。

相続放棄を検討する場合は、まず司法書士や弁護士に相談し、大家さんへの対応を任せることを強く推奨します。

どうしても関わりたくない…遺体引き取りは拒否できる?

「長年絶縁状態だった」「虐待されていた」などの理由で、遺体の引き取りすら拒否したい場合もあるでしょう。

法律上、引き取りの「義務」はない

心情的には難しい問題ですが、法律上、親族だからといって遺体を必ず引き取らなければならないという罰則付きの義務はありません。

遺族全員が引き取りを拒否した場合、「行旅死亡人取扱法」や「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、死亡した場所の自治体(市区町村)が火葬を行います。

拒否した場合の行方(無縁仏)

自治体が火葬した場合、遺骨は一定期間保管された後、無縁塚などに「合祀(ごうし)」されます。

一度合祀されると、後から「やっぱりお骨を返してほしい」と思っても、他の人の遺骨と混ざっているため取り出すことはできません。

後悔しないよう、「遺骨の引き取りだけはする(直葬だけは行う)」という選択をする遺族も多いです。

まとめ:情だけで動かず、まずは「現状把握」を

孤独死の連絡を受けた時は、情に流されてすぐに動こうとしてはいけません。「借金はないか?」「連帯保証人は誰か?」を確認し、自分の生活を守ることを最優先してください。

無理に自分で掃除をせず、特殊清掃業者や法律の専門家の力を借りて、冷静に対処することが何より大切です。

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