「家族葬にしたい」と思っても、それが具体的にどんなお葬式なのか、正しく理解できている人は意外と少ないものです。
「家族だけでやること?」「お通夜はやらないこと?」「とにかく一番安いプラン?」
実は、家族葬に厳密な定義はありませんが、「一般葬」「直葬(火葬式)」「密葬」とは明確な違いがあります。これを知らずに選ぶと、「もっと簡素でよかった」「逆に式をちゃんとやればよかった」と後悔することになります。
本記事では、家族葬の本当の定義と、他の葬儀形式との違いを「費用・手間・精神的負担」の観点から徹底比較します。
【定義】家族葬とは「参列者を限定する葬儀」のこと
まず、「家族葬」という言葉の正体について解説します。
少人数=家族葬ではない。基準は「誰を呼ぶか」
よく勘違いされますが、参加人数が少ないから「家族葬」なのではありません。
会社関係や近隣住民といった「義理の参列」をお断りし、「故人と親しかった人」だけに参列者を限定するスタイルのことを家族葬と呼びます。
たとえ参列者が30人いても、全員が親族や親友ならそれは「家族葬」です。逆に5人しかいなくても、会社の上司や取引先が来るなら、それは「小規模な一般葬」という扱いになります。
儀式の流れは「一般葬」と全く同じ
ここが最も重要な点です。家族葬であっても、「お通夜」を行い、「告別式」を行い、最後に「火葬」をするという一連の流れは、一般葬と全く変わりません。
「お経も儀式もカットして、火葬だけする」のは、家族葬ではなく後述する「直葬(ちょくそう)」です。
【比較表】家族葬・一般葬・直葬・密葬の違い一覧
それぞれの葬儀形式には、費用や特徴に大きな違いがあります。
以下の比較表で確認してください。
| 形式名 | 参列範囲 | 儀式の有無 | 特徴・費用の傾向 |
|---|---|---|---|
| 家族葬 | 親族・親友のみ (10~30名) |
あり | 最も選ばれている形式。 接待費は減るが、香典も減るため実質負担はそこまで安くない。 |
| 一般葬 | 会社・近隣含む (50名~) |
あり | 従来型のお葬式。 総額は高いが、香典収入が多く、実質負担は軽くなることもある。 |
| 直葬 (火葬式) |
家族のみ (数名) |
なし | 儀式を一切行わない。 火葬炉の前でお別れするのみ。費用は最も安い(20万円~)。 |
| 密葬 | 家族のみ (その後本葬) |
あり | 有名人や社葬向け。 先に家族だけで密葬を行い、後日大規模な「本葬(お別れ会)」を行うのが前提。 |
直葬(火葬式)との違い:式を行うか行わないか
一番混同しやすいのが「家族葬」と「直葬」です。
- 家族葬: お坊さんを呼び、祭壇を飾り、お経をあげてもらう(ゆっくりお別れできる)。
- 直葬: 祭壇もお経もなく、安置場所から直接火葬場へ行く(お別れは5分〜10分程度)。
「とにかく一番安く」と伝えると、葬儀社は直葬を提案してきます。「お経くらいはあると思っていた」と後悔しないよう注意してください。
密葬との違い:後日「本葬」を行うかどうか
「密葬」は、本来「本葬(社葬など)」とセットの言葉です。
一般の方が「ひっそりと行いたい」という意味で「密葬で」と言うことがありますが、葬儀用語としては誤りです。一般の方は「家族葬」という言葉を使いましょう。
「直葬」の費用で「家族葬」ができる?迷った時の新しい選択肢
ここまで解説した通り、直葬(火葬式)は費用を抑えられますが、「お花も儀式もない寂しいお別れ」になりがちです。一方で、一般的な家族葬は満足度が高いものの、費用はそれなりにかかります。
「お別れの時間は持ちたいけれど、家族葬の平均費用(約100万円)は出せない…」
そう考えて、やむを得ず直葬を選ぼうとしている方に、ぜひ知っておいてほしいサービスがあります。
定額・低価格でも「お花がいっぱい」の家族葬
「家族葬のこれから」というサービスは、直葬に近い低価格帯でありながら、豪華な花祭壇でしっかりとお別れができる新しいプランを提供しています。
「予算は限られているが、寂しいお別れにはしたくない」という、家族葬と直葬の間で揺れている方にとって、まさに「いいとこ取り」の解決策と言えます。
なぜその価格で実現できるのか、サービスの中身と評判をプロの視点で分析しました。安易に直葬と決めてしまう前に、一度チェックしてみてください。
家族葬を選ぶ3つのメリット
現在、葬儀の7割以上が家族葬を選んでいます。その理由は主に以下の3点です。
1. 精神的負担の軽減(接待疲れがない)
一般葬では、遺族は上司や参列者への挨拶回りに追われ、故人の顔を見る暇もありません。
家族葬なら、気を遣う相手がいませんので、最後の一瞬まで故人のそばに寄り添い、思い出話に花を咲かせることができます。
2. 形式にとらわれない自由な演出
「湿っぽいのは嫌いだったから、好きだったジャズを流そう」「祭壇は菊ではなく、バラで一杯にしよう」。
世間体を気にする必要がないため、故人らしい自由な演出が可能です。
3. 飲食・返礼品費用の削減
参列者が少なければ、通夜振る舞い(食事)や返礼品の数が減り、支払い総額は安くなります。
※ただし、入ってくる「香典」も減るため、最終的な「持ち出し金額(実質負担)」は一般葬と変わらないケースも多い点には注意が必要です。
家族葬を選ぶ前に知っておくべきデメリット
良いことばかりではありません。家族葬特有のリスクも存在します。
葬儀後の「弔問対応」が大変になるリスク
葬儀に呼ばなかった人が、後日「せめてお線香だけでも」と自宅にバラバラと訪問してくる可能性があります。
これを防ぐためには、事前の周知や、あえて「弔問お断り」を伝えるなどの対策が必要です。
親族からの「理解」を得る手間
親戚の中には「葬儀は盛大にやってこそ供養になる」と考える方もいます。勝手に決めると「水臭い」「恥ずかしい」とトラブルになりますので、事前の相談(根回し)が欠かせません。
【診断】あなたの家は「家族葬」に向いている?
最後に、状況別のおすすめ形式をまとめました。迷っている方は参考にしてください。
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- 「故人が高齢で、友人も少なく、静かに送りたい」
→ 【家族葬】が最適です。最も満足度が高いパターンです。
- 「故人が高齢で、友人も少なく、静かに送りたい」
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- 「故人は現役世代で、会社や地域の付き合いが広い」
→ 【一般葬】または【家族葬+後日お別れ会】を推奨します。
無理に家族葬にすると、参列できなかった人からの問い合わせ対応で遺族が疲弊します。
- 「故人は現役世代で、会社や地域の付き合いが広い」
- 「儀式にはこだわらない。費用を極限まで抑えたい」
→ 【直葬(火葬式)】を検討してください。
ただし、菩提寺がある場合は、納骨トラブルを防ぐために必ずお寺へ事前相談が必要です。
まとめ:言葉のイメージではなく「何を実現したいか」で選ぶ
「流行りだから家族葬」と選ぶのではなく、「誰と、どのような時間を過ごしたいか」で選んでください。
「ゆっくりお別れがしたい」なら家族葬。
「とにかく費用を抑えたい」なら直葬。
それぞれの違いを理解した上で、故人にとっても、残された家族にとっても一番後悔のない形を選びましょう。
参考文献・公的機関リンク集
当サイト『家族葬の判断ガイド』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。


