「家族葬」と決めたけれど、故人の親友だけはどうしても呼びたい。でも、親族だけの式に他人を呼ぶのは非常識だろうか?そう悩む方は非常に多いです。
結論から言えば、家族葬に友人を呼んでも全く問題ありません。
そもそも家族葬に「家族しか呼んではいけない」という決まりはないからです。
しかし、誘い方を間違えると、相手に「行っていいのか?」と気を遣わせたり、呼ばれなかった他の友人から不満が出たりするリスクがあります。
本記事では、家族葬に友人を招く際の「判断基準」と、相手に負担をかけずに参列をお願いする「招待マナー・文面」を解説します。
【結論】家族葬に友人を呼んでもマナー違反ではない
まず不安を解消しましょう。「家族葬に友人を呼ぶこと」は、決してマナー違反でも迷惑でもありません。
家族葬の定義は「親しい人たちで送る葬儀」
家族葬の「家族」とは、血縁関係だけを指す言葉ではありません。 「義理の付き合い(会社関係や近所)」を省き、「故人と心の距離が近かった人たち」だけで送る葬儀こそが、本来の家族葬の姿です。
疎遠な親戚よりも、毎日会っていた親友の方が、故人にとっては「家族」に近い存在かもしれません。
ぜひ、故人が会いたがっているであろう人を呼んであげてください。
ただし「参列者対応」ができるか、遺族側の余裕を確認する
一つだけ注意点があります。友人を呼ぶということは、遺族であるあなたが「おもてなし(挨拶・誘導・返礼品の手配)」をしなければならないということです。
「悲しすぎて誰とも話したくない」「親族の介護で手一杯」という状況であれば、無理に友人を呼ばず、家族だけで静かに送る選択も正解です。遺族の心身の余裕を第一に考えてください。
どこまで呼ぶ?友人を招く際の「3つの条件」
友人を呼ぶ場合、最も難しいのが「どこまで声をかけるか」の線引きです。 後々のトラブルを防ぐため、以下の3つの条件をクリアする人に限定することをおすすめします。
条件1:故人と「家族同然」の付き合いがあったか
単なる同級生や、たまに飲む程度の友人であれば、今回は遠慮してもらいましょう。 目安は「故人の最期の顔を見て、家族と同じように涙を流してくれる関係か」です。
それ以外の友人には、後日落ち着いてから「お別れ会」を開くか、事後報告で十分です。
条件2:遺族(あなた)とも面識があるか
これは当日の負担を減らすための条件です。 全く面識のない友人が来ると、遺族は「あの方はどなた?」と混乱し、気を使います。
「ああ、〇〇さんね!」と遺族側も顔と名前が一致する相手であれば、安心して招くことができます。
条件3:その人だけを「特別扱い」しても他の友人と揉めないか
特定の友人を呼ぶ場合、「グループ単位」で判断するのが鉄則です。 「仲良し3人組のうち、Aさんだけ呼んで、BさんとCさんは呼ばない」というのは、後の人間関係に亀裂を生みます。
- そのグループ全員を呼ぶ。
- そのグループ全員を呼ばない。
このどちらかで統一し、「なぜ私だけ呼ばれなかったの?」という不満が出ないように配慮しましょう。
相手を困らせない!参列依頼の伝え方とタイミング
家族葬に招待された友人は、「親族の中に他人が混ざって迷惑じゃないか?」と必ず遠慮します。 その遠慮を解き、気持ちよく参列してもらうための伝え方です。
電話で直接伝えるのが基本。「なぜあなたを呼ぶのか」を添える
訃報は電話で伝えます。その際、単に「来てください」と言うのではなく、「あなただから来てほしい」という理由を添えてください。
「基本的には親族のみで行う家族葬なのですが、親友の〇〇さんには、ぜひ最後にお顔を見ていただきたくてお電話しました」こう伝えれば、相手も「それなら」と迷いなく参列できます。
香典・供花の「辞退」または「受け取り」を明確にする
「家族葬」と言われた時、相手が一番悩むのが「香典は持っていくべきか?」です。 当日受付でモタつかないよう、事前にハッキリ伝えてください。
- 辞退する場合: 「香典や供花は辞退しておりますので、手ぶらでお越しください」と念押しする。
- 受け取る場合: 「お心遣いはありがたく頂戴いたします」と一言添える。
【そのまま使える】友人への案内文テンプレート(LINE・メール対応)
電話で伝えた後、詳細(日時・場所)をLINEやメールで送る場合の文面です。 コピーして、日時などを書き換えて使用してください。
パターンA:香典を「辞退」する場合の案内文
件名:【訃報】(故人名)の葬儀のご案内
〇〇(友人名)様
突然のご連絡で恐縮ですが、
かねてより病気療養中でした(続柄・故人名)が、〇月〇日に永眠いたしました。
生前のご厚情に深く感謝申し上げます。
葬儀につきましては、本人の希望により近親者のみの「家族葬」にて執り行いますが、
生前特に親しくさせていただいた〇〇様には、ぜひ最後にお見送りいただきたく、ご案内申し上げます。
記
■通夜:〇月〇日(曜) 18:00~
■告別式:〇月〇日(曜) 11:00~
■場所:〇〇斎場(住所:~/電話:~)
なお、誠に勝手ながら、ご香典・ご供花・ご供物の儀は固くご辞退申し上げます。
当日はどうぞ平服(喪服でなくて構いません)でお越しください。
喪主:〇〇(あなたの氏名)
連絡先:090-0000-0000
パターンB:香典を「受け取る」場合の案内文
件名:【訃報】(故人名)の葬儀のご案内
〇〇(友人名)様
(前略・訃報の挨拶は上記と同じ)
葬儀につきましては、近親者を中心とした「家族葬」にて執り行いますが、
故人と親しかった〇〇様にもご参列いただきたく、ご案内申し上げます。
記
■通夜:〇月〇日(曜) 18:00~
■告別式:〇月〇日(曜) 11:00~
■場所:〇〇斎場(住所:~/電話:~)
当日は、ご都合の良いお時間にお越しいただければ幸いです。
お気をつけてお越しください。
喪主:〇〇(あなたの氏名)
連絡先:090-0000-0000
呼ばない友人への対応はどうする?
一部の友人を呼ぶと、呼ばなかった友人への対応に悩みますが、ここにも正解があります。
式が終わるまでは伏せておき、事後報告がトラブルの元を断つ
中途半端に「〇〇さんは呼ぶけど、あなたは呼ばない」と事前に伝えると角が立ちます。 呼ばない友人に対しては、葬儀が終わるまで訃報を伝えない(伏せておく)のが最も安全な策です。
全てが終わった後に「事後報告」としてハガキやLINEで伝えましょう。
「私も行きたかった」と言われた時の対処法
事後報告をした際、友人から「水臭い、教えてくれれば行ったのに」と言われることがあります。 その時は、主語を「親族」にしてしまいましょう。
「親族の意向で、どうしても範囲を限定せざるを得なかったんです。申し訳ありません」
こう伝えれば、友人も「それなら仕方ない」と納得してくれます。あなたのせいにする必要はありません。
まとめ:形式にとらわれず、故人が一番喜ぶメンバーで送ろう
家族葬だからといって、友人を遠ざける必要はありません。 大切なのは「誰のための葬儀か」ということです。
故人と共に笑い、支えてくれた友人がいるのなら、ぜひ呼んであげてください。
「あなたに来てもらえて、故人もきっと喜んでいます」。そう伝えられる式こそが、本当の意味での「良い家族葬」になるはずです。
参考文献・公的機関リンク集
当サイト『家族葬の判断ガイド』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。

